フォーティファイドワインのスタイル (豪州編)

目次
ニューワールドの一員として、有名なオーストラリアワイン。その歴史を遡ってみると発展を支えてきたのは、以外にもフォーティファイドワインなのです。1960年代には、様々な赤ワインや白ワイン、スパークリングワインが普及し、テーブルワインが台頭します。 そのため、フォーティファイドワインは昔ほど飲まれる機会が減ってはいるものの、ワインメーカーは脈々とその高い技術を受け継いでいます。また、ワイナリーの持つ技術は世界的に見てもかなり高いレベルで、オーストラリア独特の文化や豊かな土壌、局所気候に恵まれたことで様々なワイン造りに挑戦できたことが背景にあります。今回は、そんなオーストラリアのフォーティファイドワインをスタイル別でまとめてご紹介していきます。
ポートとフォーティファイドワインの違い

スタイルを紹介する前に整理しておきたいのが、ポートとフォーティファイドワインの関係性です。恐らくフォーティファイドワインと言う言葉よりも「ポート」や「シェリー」と言う言葉の方が馴染みがあるのではないでしょうか。 実は、これら全て同じものを指します。と言うのも、これらの呼び方の違いはシャンパンとスパークリングワインと同じように産地による違いだからです。産地や造り手が違えば味や香りにも違いはありますが、基本的な製法は同じです。
・ポート

ポルトガルのドウロ地方で造られたフォーティファイドワイン

・シェリー

スペインのヘレス地区で造られたフォーティファイドワイン

・フォーティファイド・ワイン

強いアルコールを加えて造られるワインの総称

また、これらのフォーティファイドワインは食後に飲まれることが多く、甘口 (一部シェリーは辛口) であるため、デザートワインと言われることもあります。香りの特徴として、チョコレートやシナモン、ドライフルーツやナッツのような香りを持ち、甘い物とも相性が良いです。 今回理解してもらいたい事は、ポートもシェリーもフォーティファイドワインの一部で産地ごとに呼び方が区別されている事です。
スタイルとその特徴
オーストラリアでは様々な品種のブドウが栽培されているため、フォーティファイドワインにはいくつかのスタイルがあります。代表的なのは、「トニー」、「ヴィンテージ」、「マスカット」、「トパック」の4つです。

・トニー
オーストラリアでもっとも人気のスタイル「トニー」。このワインは、樽の中で数年 〜 数十年と十分に熟成されているため、自宅のワインセラーで瓶熟成しても特に変化は起きません。 トニーが造られているのは温暖な地域で、ラザグレン、マクラーレン・バレー、バロッサ・バレー、リバーランドが有名です。使用される品種は、シラーズ種、グレナッシュ種、マタロ種、トゥリガ種の黒ブドウです。「トニー」と言う名前の由来は、その特徴的な濃いブラウンからきています。この色味は、ワインを樽の中で長期間熟成させることで、ワインが酸化し茶褐色になるのです。 味は濃厚で力強い熟した甘さが特徴で、ドライフルーツやスパイス、レザー、ナッツ、キャラメル等の香りを持ちます。

豆知識
実は、オーストラリアでも少し前まではトニースタイルのワインを「トニー・ポート」と呼んでいました。しかし、ポートもしくはポルトと名付けられるのはポルトガル産のみとルールが定まったため、「トニー」とだけ表記するようになりました。

・ヴィンテージフォーティファイド
ヴィンテージフォーティファイドは、ある1年に収穫されたブドウのみを使用したスタイルです。樽の中で熟成させる期間が約2年と短いものの、瓶熟成を最低でも5年、理想は約20年させます。 オーストラリアにおけるフォーティファイドワインの名産地は、温暖な気候を持つラザグレン、マクラーレン・バレ、バッロサ・バレー、リバランドです。これらの地域で栽培されるシラーズ種やトゥリガ種、マタロ種、テンプラニーリョ種がヴィンテージスタイルにも使用されています。フルーティーな香りとオークによるスパイスやヴァニラの香りを持ち、フルボディーでタンニンが多いのも特徴です。

豆知識
実は、ヴィンテージのフォーティファイドワインは毎年造られているわけではありません。ヴィンテージはある1年に収穫されたブドウのみを使用するため、ブドウの出来に左右されます。そのため、出来の悪い年は造らず、10年間の間でおよそ3 〜 4回程度造ることができるとされています。 

・マスカット
マスカットは、オーストラリアワインの中でも他の国では再現することが難しいとされる特徴的なスタイルです。このワインは、ミュスカ・ア・プティ・グラン・ロゼと呼ばれるブドウから造られることが多く、少し赤みがかった白ブドウを使用します。 温暖な気候の地域で栽培されており、中でもビクトリア州のラザグレンが有名な産地です。 トニースタイルのように長期間樽の中で熟成させ、ブドウの味を凝縮させ濃厚に仕上げます。樽でしっかりと熟成させているので、瓶熟成は必要ありません。香りには、ドライフルーツやエスプレッソコーヒー、チョコレートを持ち、濃厚な甘さが特徴です。

・トパック
主にビクトリア州のラザグレンで栽培されているミュスカデル種から造られるトパック。 マスカットやトニーのように樽の中で長期間熟成させ、瓶熟成は必要ありません。香りの特徴は、マスカットに比べ軽やかでフルーツキャンディーやハチミツ、トフィー、紅茶の香りを持ちます。
最後に
この4つのスタイルがオーストラリアを代表するフォーティファイドワインです。この他にも違う品種から造られるものや、ブレンドして香りや味に複雑さを持つもの等、ワインメーカーや産地によって様々なバリエーションがあります。ぜひ、いくつかのフォーティファイドワインを試して、自分のお気に入りを見つけてみてください。

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